1. 尿素とは?何に効く?
- 角層の**天然保湿因子(NMF)**の一部。水分を抱え込みつつ、硬くなった角層を柔らかくする働き。
- 期待できること:ごわつきの緩和/粉ふき低減/手足のカサつき対策/かかと・肘膝の角質ケア。顔の毛穴まわりのザラつきにも低濃度が有効なことが多い。
2. 濃度別の使い分け
- 2–5%(顔・デリケート部位):しっとり保湿+表面なめらか。敏感肌は2–3%から
- 5–10%(全身ボディ):二の腕や太もも、乾燥ボディの日常ケア
- 20–40%(かかと・肘・膝・固い角質):集中やわらげ。顔・粘膜NG、週数回のスポット運用
- 子ども・超敏感肌は無理せず低濃度から/医師の指示がある場合を除き高濃度は避ける
3. 剤形の選び方
- ローション/ミルク(2–5%):顔・広範囲を薄く面塗り
- クリーム(5–10%):ボディの毎日保湿
- 高濃度クリーム(20–40%):かかと・肘のスポット
- ハンド/フットマスク:短時間で“ふやかし+封じ込め”
4. 使い方(順番・頻度・時間帯)
- 顔(2–5%):化粧水 → 尿素 → セラミド乳液/クリーム → 日焼け止め(朝)
- ボディ(5–10%):入浴後3分以内に塗布 → ライトなオイルで薄く封じ込めても◎
- かかと(20–40%):入浴後に厚め塗り → コットン靴下で15–30分→余分を拭って就寝(毎日はやりすぎ)
- 頻度:低濃度は毎日、高濃度は週2–3回から。しみたら回数を減らす/薄く塗る
しみやすい時:洗顔・入浴直後の濡れ肌直塗りは避ける→タオルオフ後に少量ずつ。
5. 相性(併用のコツ)
- 一緒にOK:セラミド、パンテノール、ヒアルロン酸、CICA、ナイアシンアミド、トラネキサム酸、ペプチド
- 時間を分ける:レチノール/高濃度AHA・BHA/過酸化ベンゾイル
- 例)夜:尿素ボディ10%/別日:AHA
- 封じ込め:尿素 → セラミドクリーム(顔)/薄いオイル(ボディ)で水分保持が安定
6. 肌悩み別ミニルーティン
顔の粉ふき・キメ乱れ(普通~乾燥)
- 夜:化粧水 → 尿素3–5% → セラミド → クリーム
- 朝:ヒアルロン酸 → セラミド → SPF
- 週1:低濃度AHAを別日に
二の腕のザラつき(KP/鶏肌傾向)
- 夜:シャワー後 尿素5–10% → セラミド乳液
- 週1–2:乳酸AHAを別日に薄く(やり過ぎない)
かかと・肘膝のガチガチ角質
- 入浴後:尿素20–40%を厚め → コットン靴下で15–30分 → 余分を拭き取り → 仕上げにワセリン薄膜
- 角質削りは控えめ(やり過ぎると逆に硬くなる)
7. よくある質問(サクッと)
Q. しみる/ヒリつく
A. 濃度・量・頻度を下げ、パンテノール or CICA → 尿素低濃度 → セラミドの順で。傷・ひび割れ部は避ける。
Q. 顔に高濃度は?
A. NG。顔は基本2–5%まで。高濃度はかかと等のスポット専用。
Q. 朝も使える?
A. 低濃度はOK。日焼け止めは必須(どのみち毎日)。
8. 購入時チェックリスト
- 成分表に Urea と**濃度(%)**の明記(特に高濃度は必須)
- 顔用は2–5%/無香料・低アルコールが扱いやすい
- ボディは5–10%+セラミド/パンテノール併載が快適
- 高濃度はスポット用表示/チューブやジャーは衛生的に使う(スパチュラ)
9. うまくいかない時の見直し
- 刺激が出る:濃度ダウン/隔日へ/濡れ肌直塗り回避
- 効果が薄い:最低2–4週間継続。ボディは入浴後3分以内に切替
- 再硬化:高濃度を週2–3でメンテ+毎日の**5–10%**を継続
まとめ
尿素は**“潤しながら柔らげる”実用派。顔は2–5%/体は5–10%/固い部位は20–40%スポットの三段運用が基本。セラミド・パンテノールで守りを併走し、酸やレチノールは別時間帯**に分ければ、乾燥・ごわつき・粉ふきを安定してコントロールできます。

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